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  • 執筆者の写真KANAZAWAyuuki

Peachの旅くじでGO!ひとり大阪旅④

更新日:2022年12月27日


うなぎで満腹なところに

ふわふわ串カツ…

その結果、旅先での初体験!


その3からの続き


 名物を頼まずにいたとは申し訳なかったので肯定はしたが、果たしてそれは何だ?そしてこの満腹の状況で食べられるのか?


 目の前のアスパラとしいたけを見ると、何だか思っていたものよりも大きい。串カツって衣がサクサクではなかったか?これは何というか、もにゃっとしていてまるであれ、アメリカンドック的なふわふわ衣

 ぱくっと食べると、もちろん甘くはないがものすごいボリュームである。それはそれで美味しいけど、何か想像と違うな…とスマホで店の口コミをチェックする。どうやら、この他にないふわふわ串カツだからこそ根強いファンがいるようだ。うむ。それはそれでわからんでもないが、今の私の腹にはまるで、爆弾を投げ込まれたようだ。

 「名物」は牛だった。串に刺した牛肉も、もちろんふわふわになっていてまさにミニドック的な。周りを見渡すと、オンナ1人で飲んでる客は皆無。しかも大ジョッキって…そりゃあ店主も「こいつは飲むし、食うだろうな」と見立てたんだろうな。うん、飲むんだけど今日は食べられないの…ヨヨヨ…と泣きたい。しかもボリュームある串カツ。

 もし誰かが一緒だったら「もう無理。ごめんコレ食べて」と甘えるところだが、本日は1人。店主も「へいへい!」と言わんばかりに串カツを揚げてくれるもんだから、んもうね、残せないという。魔のループ。


 それでも何とか完食し、店を出る。ひいい、もう腹いっぱいで空気さえも入らない!ここからどこかに立ち寄るパワーもない。ああ、ヒョウ柄とか着て写真撮りたかった!というところで思い出した。

 大阪の友人から聞いていた、新世界でも有名な動物柄に特化したお店を。マップを見ながら、せめてそこには寄ってみようと仲通りに入る。が、メインの通りと違ってたまたまなんだろうけど、人が誰もいない…。あああ、そんな中でひっそりと佇むその店に入るには…うわあ…勇気がいる!!

 ちらりと横目で見ながら、ゆっくりと通り過ぎる。「あかん!勇気出さなあかんで!」と、自分の中ももう一人が大阪色でけしかける。ハンガーにかけられている虎(柄)や豹(柄)が「こっち来いや!」「おい!来んのかい~」と煽る声に耳をふさぎ、通り過ぎた。


↑イメージです…。

 負けだ。勇気が足りない、わたしの負けだ。というか、今の出っ張った腹で虎顔のTシャツとか着たら、そのまんまマジ立体的な動物になってコワイ。許して。旅くじミッション。

 今にもはち切れそうな腹を抱えて、再び電車に乗った。とにかく、一度ホテルにチェックインして荷物から解放され、ちょっとだけ休みたい。「近鉄日本橋」で降りると、近くにあったドラッグストアが目に入った。


 そうだ、胃薬、買おう。

 ついでに虫刺されの薬も欲しかったが、秋に差し掛かった季節にもうそれは購入したくなかった。明日、札幌に持って帰っても使わないし、寧ろ自宅にはほぼ出番のないそれが2つもあるのだ。絶対にいらない。

 かゆい足を我慢し、胃薬だけを購入。旅先で胃薬を買うなんて、人生初である。

 「ホテルはどこじゃ、ホテルは」の一心で歩く。まだチェックイン時間前なので、もしかしたら部屋に入れないかもしれないが、せめて荷物だけでも預けたい(ホテルでは、チェックイン前後でも泊まるお客様の荷物は預かってくれるよ)。

 到着すると、運よく「お部屋にもう入れますよ」と言ってもらえたので、安心して入室。スーツケースから荷物を出すより先に、先ほど買った胃薬を飲む。ごくん。あああ、これが欲しかった。

 薬を飲んで、ほっとしたところで荷物を片付け、上着を脱いでベッドに直行した。あふーーーだめだ、この腹。苦しい、はっきり言って苦しい。いや、声に出さずとも、苦しい。

 瞼に浮かぶのは、「赤ずきんちゃん」に出てくるオオカミの姿。あいつがおばあさんと赤ずきんちゃんを飲み込んだ時は、こんな感じだったのか?いや、多分そっちではなくて、わたしに近いのは後半の方だ。つまり2人を出してからの「石」を詰め込まれた時の方。

 あんなに美味しいものを食べて、満腹で幸福なはずだったのに、なぜ今こんなに苦しい?!誰かがわたしの腹に何かしたのか?という後半。しかしオオカミはそれに気が付かず、水を飲もうとして井戸に落ちるわけだから、相当の阿呆だ。わたしはそんなバカはしない。

 気が付いたら、17時になっていた。

 阿呆だ。バカだ。まあ、どっちもだ。


その5に続く

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