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  • 執筆者の写真KANAZAWAyuuki

Peachの旅くじでGO!ひとり大阪旅③

更新日:2022年12月22日

大阪の美味しいものきた!

鰻に串カツ、そして

ビール!


その2からの続き


 小さなその店のドアを開けると、カウンター数席とテーブル2席のこぢんまりとした空間。そこに、私より人生の先輩方が座って鰻を楽しんでいた。店の方に申し訳ないくらい邪魔なスーツケースを端に置き、カウンターに座る。う巻きを食べたかったので、それと蒲焼の両方が味わえる定食を頼んだ。

 その途端、厨房で卵をまぜまぜし始めるおじさま(作り手)の様子が見えて、嬉しくなる。あうう!私のために卵まぜまぜしてくれてるう!と見られる嬉しさよ。

 そしてご用意された定食は、私の期待通りの美味さだった。最初は多めに感じたご飯を全てたいらげ、大満足で店を出る。本当に美味しかった。コスパも最高。大阪すごい。

 出た腹をさすって、路面電車の停留場へ向かう。もうこの時点で気がついてしまったけど、

 住吉大社の駅と、路面電車は非常に近い。

 スーツケース、最初の駅で預けた方がよかったじゃん!!!

 次回、住吉大社参拝の時には、スーツケースはなしで!人は経験をへてこそ成長するのだ。

 停留場で待っていたら、何となく以前来たときの記憶がゆるく蘇った。以前もここで路面電車を待っていた。そんなに昔のことではないのに、今となっては非常に昔のことのように感じる。それだけわたしも成長したってことかもしれない。出っ張るお腹をさすって、路面電車に乗り込む。

 実は旨い鰻を食べながら、気になっていたことがある。

 足がかゆい。

 多分、境内でベンチに座り優雅な時間を過ごしていた時に、攻撃をされたと予想。路面電車に乗り、座って足を確認する。

 どわー。何だか片足3箇所ずつくらい虫に刺されている。かゆいいいい。

 人の目も気になるので、急にボリボリはかけないが、めちゃくちゃかゆい!


 札幌に住むようになってから、ほとんど蚊に刺されるということがなくなったせいか、その「かゆさ」への免疫がすっかり切れてしまっている自分(札幌の郊外は別だけど、やはり涼しい地域なので本州に比べると圧倒的に虫が少ないのです)。気を紛らわせようと、窓から外を眺めた。

 右も左もほぼ建物に囲まれ、緩やかではあるものの、上ったり下ったりを繰り返す線路。狭いところを縫うように走る場所もあり、まるで優しいアトラクションのよう。

 でも、以前に乗った時はそんなこと考えもしなかった。

 今は札幌の路面電車が、私の中の軸になっていることに改めて気が付かされる。札幌に住んで4年。感覚のベースが、いつのまにかそちらになっている自分が、不思議だ。

※札幌市内を走る路面電車は、そりゃもう広く豊かな街を悠々と走ってます。といっても、雪国なので冬は雪で道路も狭まって大変そうだけど。ちなみに2022年現在、日本の路面電車は18か所あります。


 路面電車というのはどこの地域でもクルマや自転車や歩く人々、全てと仲良くゆっくりと生きているのが心地よい。

 街並みに溶け込む様子が、好き。

 向かいの商店のガラス窓に、路面電車の姿が映り込む瞬間とか。

 あー、わたしって感性豊かなだな。作家とか詩人になれるんじゃ!?⟵なれるもんならなってみろ



 路面電車を恵美須町で降りる。目指すは「新世界」だ。peachの旅くじミッションは「大阪のおばちゃん風の服で、新世界に行ってきて!」ということだと冒頭で触れたが、せっかく買った豹柄のスカーフとスカートは配送が間に合わなかった。

 今頃札幌の自宅に着いているだろう。

 遅いよ!ということで、いつも通りの自分でとりあえずはテクテク行く。


 それにしても酒が飲みたい。

 鰻屋さんでも飲まなかったし、それなりに歩いて疲れてもいる。そろそろわたしにアルコールという名のガソリンを!プリーズ。ギブミー。びあー。

 好物のサッポロクラシックを、大阪では飲めないことは承知しているので、とりあえず1人でも入りやすそうな店を探す。串カツは…少し食べたいけど、先程鰻を食べているので、ハッキリ言うとそれはメインでは無い。

 表通りや裏路地をゴロゴロさせてキョロキョロ歩いていると「大ジョッキ」と書かれたお店が目に入った。あー、もうここにする。わたし。大ジョッキプリーズ。


 店内はそれなりに賑やかで入りやすかった。テーブル席の他にカウンターもあるし、1人でも入りやすい。ちょうど串を揚げている職人さんの目の前に案内され、座るや否や「大ジョッキください」と叫ぶ。

 え、大丈夫?大ジョッキは1リットルあるよ、と言われ

「全く問題ないです」

と答えたら、店主にやりと笑った。さっきの鰻が腹の9割を占めているので、串カツは野菜のみ(ビールは別腹)。アスパラとシイタケを頼む。

 そこへ大ジョッキ。

 うはー。ぷはーーー。うほーー。

 生き返る…。

 すると先程の店主、その2つを揚げて私の目の前にホイッと置きながら「うちの名物は?食べるでしょ」と声をかけてきた。小心者なので「ハイ!」と答えるわたし。名物を頼まずにいたとは申し訳なかったので肯定はしたが、果たしてそれは何だ?そしてこの満腹の状況で食べられるのか?


その④に続く

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