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春に、森で、人に会いに。3

最終更新: 2019年5月9日

北海道にある森町(もりまち)。

夜の桜まつりへ…旅エッセイ【その3】


 その2はこちら。


 旅の大事な足でもあり、わたしの足かせになっていたクルマは宿に置いて、夜は森町の「さくら祭り」へ!さぁ飲むぞ!

 19時前に青葉ヶ丘公園に到着。桜で有名な森町。これが見たくて訪れた。

 明日の昼間も行くつもりなんだけど、夜桜ってやっぱり昼間と違ってロマンティックだから見たい。


 公園に足を踏み入れると、ライトアップされた桜の樹々が出迎えてくれた。

 え?んんん??

 こんな桜たちを、私は見たことない。

 夜桜、といえば樹齢何百年の大きな樹がどーん、とあって、その周りにもちらほら、桜が咲いている…とか。数キロに渡って桜並木が…とか。そういうのはよく知ってる。でもここは違う。


 お花見を楽しむ人の宴会では決してなく、寧ろ「桜たちの宴会」に、人間がお邪魔しているような。

 肩を寄せ合って夜のひそひそ話をしているような、桜たち。

 その下で人間たちがまるで、幼子が母を確認するように時々、桜を見上げる。


 ああ。この青葉ヶ丘公園の桜たちは、何年も何百年も、森町の人々を見下ろしている母のような存在なのかな。

 母の下で、皆が楽しんでいる。



 賑やかなその中で、ジャズが聞こえ出した。毎晩ジャンルを変えて、19時からライブを行っているようだ。ああそうだ。それに行きたかったんだよ!

 我に返って、シルバー輝くキッチンバスに向かう。


 ここは夜に開かれるラウンジ。音楽を聴きながらシャンパンが楽しめる。バスの窓からシャンパンを受け取り、空いている席に座る。やった!本日ようやくのアルコール!一緒に食べ物も軽く注文した。森町の飲食店が日替わりで提供しているらしいので、何のメニューがあるかはその日ごとのお楽しみ。

 そのおしゃれな空間にうっとりしながらも、向こうでは昔ながらの出店もあるのがまたいい。そうそう、お花見はそうでなくちゃ。あとで団子もいこうかなぁ。うしし。

 桜たちの内緒話を想像しながら、シャンパンだけでは足りなくなったわたしは、公園内をうろうろ…。


 さてそろそろ夜の町なかに移動して、更に一杯ひっかけようか。

                          森駅の夜(バスはもうないけど)

 森駅周辺には、いくつか居酒屋などのお店が並ぶ。知識もあまりないので、こういう時は勘で選ぶしかない!というチャレンジを試みる。

 あまりにも人が入っていない、静か、暗い…などでなければ、まぁGOしてみる価値はあるよね。

 これが今夜は当たりだったー。

 お刺身や串を頼んでウマウマと食べていたら、カウンターに顔なじみっぽい人が座りだして。こちらをちらちら見ているなぁと思っていたら。

 「俺が獲ってきたものは、うまいぞう。どうだ、ウニ食べてみな」


 えええ!まさかのオーナー兼、漁師!

 そりゃあ新鮮さは間違いないはず。

 ありがたくウニペロリ、茶わん蒸しペロリ、好物てんこもりの幸せな夜ご飯でした。

 食べ過ぎたな、明日に備えてもう寝よう…。


 と、思ってから10分後。もう一軒の店に入っていた。

 意志が弱くなるのは、「腹の空き具合」ではなく

「サッポロクラシック」の看板を見たせいです。


 そりゃあ仕方ないよね、許してね。さっきのお店もサッポロだったんだけど、クラシックではなかったのよ。

 ということで、少々の飲茶と一緒にクラシック。ああ、もう余は満足じゃ!!



・・・・ZZZZZ・・・・・←表現が古いぜ…

 翌朝。のんびりと9時出発をめがけて身支度をする。春の森町は気持ちがいい。チェックアウトをして外に出ると、きりっとした緑の匂いがした。

 今日の朝ごはんは、これにしようって決めている。

「いかめし」だぁぁぁ!!


 あの有名な駅弁のいかめし。

 作りたてを買えるのは、今となっては森駅前の商店だけと聞いてやって来た。ううう!お店そのものが、めちゃかわいい。このレトロな「いかめし」の文字に負けない、本気の「商店」。


 こんにちは、と赤い暖簾をくぐるとお店の奥からは、期待を裏切らないおじいちゃんが出てくる。「いかめしください」とそれを受け取り、外に出る。


 おい、待て自分。今は電車に乗らないのに、いったいこれをどこで食べるつもりだ。大人なのに立ち食いはまずい。とはいえ持って帰るのではなく、ここ森町で食べたい。

 お店の方を振り返ると、ベンチがあった。あぁいいじゃない、これ。まさにいかめしのための場所!!かばんを下にそっと置き、ベンチに座る。ああ、北海道の森町に来たんだなぁって感じがする。つい足をぶらぶらさせて、子どものようにウキウキする。

 丁寧に包装された透明の包みを取り、「いかめし」と書かれた赤い紙をはずす。ああ、ほんのりと温かい!!



 ぱかっと蓋を開けると、まるまるとした美味しそうないかめしが、2杯。

 楊枝をちょいとつまみ、そのまま持ち上げてぱくっとかぶりついた。

 あうぅイカが柔らかい!そしてお醤油が染みたお米が、ふんわりっと口の中で広がる。おいしい。あぁ、これだよ、これ。適度に噛み応えのあるお米と、弾力あるイカ。なんという幸せな朝ごはん。

 もぐもぐしていたら、角からお巡りさんが出て来て目がバシッと合う。何か怒られるのか?と反射的に身構えると「どこから来たの?」と質問。

 まさかの職質…!!?

 いつの間にか10分くらい話が盛り上がる。あのお店には大きな犬がいるとか、カメラが好きで大沼の写真を良く撮るとか。なんとフレンドリーなお巡りさん。

「あはは、邪魔してごめんねー」と笑って、そのまま先ほどの商店に入り、お店のおじいちゃんと話し始める。


 ああ、いいなぁこういうの。まちの中のいつもの風景に、観光客のわたしもちょっと混ぜてもらった気分。この町をカタチ作っている小さなパーツが、重なり合って「森町の1日」が始まっていく。

 今、この瞬間わたしもそうなのかな、と想像すると何だか興奮した。ふんふん、もぐもぐ。朝のいかめしが旨い。



☆☆森町の桜まつり2019 ディナー予約はここから可能です☆☆

  見てみるだけはタダだ(笑)


森町桜まつり2019について詳しくはここ


つづきはこちら。


※この旅エッセイは2019年3月に、森町・森観光協会発行した、オリジナルタブロイド誌「foreST.」に掲載されているものを、さらに加筆したものです。


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*写真協力:森観光協会・森町・㈱クールスター

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