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阿寒湖パワーで弾丸1泊旅 その4

更新日:8月28日

 

ついに2日目の朝。

最終日は午前中から

なんとサイクリング!

 その3からの続き


 翌朝は、じとっと目が覚めた。昨夜、部屋に帰ってきてからウエルカムいもを共に、しこたま飲んだ酒が残っている。どんまい、負けるな自分。嫌々ながらに化粧をして身支度を整え、朝食会場へ向かった。昨夜の夕食の雰囲気とは全く違う、まったりとした空気。夕食の時のように急いで料理を取る勢いは、かけらもない。ビジネスホテルの朝とも違う、皆が休日を楽しんでいるのんびり感がいい。


 普段はしっかりとした朝ごはんは食べないけど、こういう時は張り切ってしまう。おかゆをベースに、それに合いそうな和のおかずをセレクト。窓の向こうの青空を見ながら、朝のカラダを優しいご飯で満たしていく。ああ、幸せだなぁ。


 向こうに座る女性4人組が、全員スッピンなのが潔い。誰かが1人「朝ごはん?えー、もうこのままスッピンでいいじゃん」となればしめたもの。恐らく皆が合意して「そうしよう。行こ行こ」などとなったのだろう、と勝手に想像。

全員が「ヒコロヒー」のようだ。

 まあ、わたしだってスッピンなら「もののけ」だろうから、人のことは言えんが。


 朝食を済ませて、チェックアウト。さて、阿寒湖に来たからには、やはりこの雄大な自然を満喫したい!と思っていたら、地元の方が「E-BIKE乗りなよ。案内してあげるから」と言う。E-BIKEとは、電動自転車の中でもスポーツ向けのもの。見た目も格好いい!

 阿寒湖のエリアにはなんとこのE-BIKEが40台ほどあるそうだ。

 「いえいえ、わたし自転車苦手なんですよ」とやんわり断ったにもかかわらず、大丈夫!試しに乗ってみな、と言われ

試しに乗ったらそのまま出発しやがった。

 て、おい!置いて行くな!頼む!と叫んでも聞こえない。先をゆく男性2名のあとを、しょりしょりとペダルをこいで追いかける。だいたい、ギアの変え方とかよくわかんないのよね。でも、阿寒の道は広いし、あまりクルマも来ないので思った以上に快適だった。

 意外と馴染み始めたこの相棒となら、なんとか行けるかも?と追っていたら、先頭男性がいきなり道をそれて湖の方への砂利道へ入っていく。え、ちょっと待って。そこはわたしにとっては、道ではない。ひええー-と叫びながら、砂利道を走る。相棒のハンドルがやや右へ左へとぶれるのを、なんとか持ちこたえ、2人が停まっているところまで行くと、そこは雄阿寒岳を一望できる絶景スポットだった。うひょー、と再び声に出す。うわあ、こんなところがあったんだ。

 まるで自分の自転車のように、記念写真よろしく撮影する。湖の波がおそろしく美しい。こんなに水がきれいなのかと感動する。カップルなら絵に描いたように、波打ち際で足を入れてキャッキャするところだが、我らは中年なのでそれはせずに、絶景をあとにした。

「電動自転車だから、坂道も平気だし展望台まで行きましょう」と言われ、そんなところあった?と思っていたら、なんと阿寒湖畔のスキー場だった。スキー場……それは当然ながら山の上では…と思った通り、どんどん道は登り坂になっていく。クルマがあまりいないので、なんとか自分もついていく。

 前の2人があまりにも颯爽と進んでいくのが憎らしい。でも、もしかしたら他の人から見ると、2人と同じようにわたしも「E-BIKEを乗りこなし、かっちょよく登り坂をすすむ女性」に見えているかもしれない。そう思うと、途中で交通整理をしていた工事現場のお兄さんを、ついにやにやして見てしまった。ういうい、わたしがヒイヒイしてるとは、思わないだろ?うへへ。

                                                      ※実際はヘルメット被ってます


 などと、ほんの少しだけ油断していたら、その先は地獄だった。

 完全にスキー場じゃないか!!ここはもう「道」ではない!!先ほどの湖畔よりもさらに大きな砂利の道を進む。確かに電動だから「パワー」はいらないけど、やっぱり「運転技術」とか「運動神経」は必要なんだと思う。多分、今ここで一度止まったら、自力では二度とスタートできなくなる気がする。ひいはァ言って進む。ハンドルが右へ左に勝手に動き、危うく道じゃない道からも逸れそうになるのを必死で守る。

 後ろを振り返らず、立ち止まらずに、道なき道を行く。

 どこかの格言か?!とばかりに前に突き進み、ようやく駐車場。うへー。死ぬ―。へろへろのわたしをよそに、2人はそれなりに楽しそうだ。自転車を停めて、さらに今度は徒歩で展望台へ。クルマで来たらしき年配のご夫婦が「ここが展望台ですか?」と尋ねてきた。そうですよ、と3人で答えるが、目の前の看板を見ると「阿寒湖畔展望台」と書いてある。

 「阿寒湖畔」と書いてあると、湖畔にあると勘違いするよなぁ。スキー場展望台とは名付けなかったのね。見えるものは、湖なんだろうけど。ご夫婦は杖を使いながら登る。我らも、自転車を停めて息を切らしながら登る。といっても、すぐなんだけど。

 登りきるとそりゃもう、再びの絶景!である。

 先ほどの湖畔からの絶景を、さらに上から見下ろす景色は、「来てよかったな」と素直に思わせてくれた。目の前のベンチに、颯爽と腰を下ろす。深呼吸して息を整えながら、阿寒湖の景色を堪能。

 しかし、さっき登ってくるときにも思ったが、展望台には青い服を着た人たちが何人もいた。この人たちはなんだろう?とこっそり3人で話す。ベンチで座る者もいれば、遠くで立ち尽くす者もいる。

「そういう種族だろう」

 という結論に達し、また自転車まで戻ることにした。




 坂道を降りていると、我らの自転車が見えた。あれ?何だかわたしの相棒だけ倒れているではないか!おい!どうした!お前も疲れたのか?!

「お互いに体力ギリギリだったんじゃないか」

 と男性2人が爆笑している。畜生。高級なE-BIKEなのに何度も倒して本当にごめんなさい。相棒よ、すまない。でも、しっかりしてくれ。


 帰り道は下りなので楽だった。あまりペダルを漕がずとも、すいすい進む。帰路になって、ようやく周りの景色も堪能する。意外と森みたいなところを進んできていたんだなぁ、わたし。そんな緑を抜けると、先ほどの工事現場の青年に再び出会った。

 あ!この人たちも青い服を着ている!

あの種族ではないか!

 なるほど。こことスキー場の上で電気工事してたのね…と種族の目的を理解。君たち頑張りたまえ。わたしは道を行くよ。


 最後の300メートルくらいに来て、なぜか漕いでも漕いでも進まなくなった


 目の前を行く2人はゆったりとした足の動きなのに、わたしはその5倍速くらい動かしている。これがギアチェンジすべき時なのか?とボタンをいじってみるも、特に変化を感じられない。うがー。最後の最後でこれとは。2人が既に、100メートルくらい先の返却場所へ到着している。

 ああ、もういいや。道を行くのはマイペースで良い。

しゃかしゃか×10倍漕ぎながら、ゴールイン。

 そのままE-BIKEを返却する。ヒイヒイはしたが、相棒よ、わたしを未知の世界に連れて行ってくれて、ありがとう。なでなでしてお別れする。こういう時だけはちょっと寂しい。

運動をして疲れ切ったので、昼食へ行くことにした。


その5につづく