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阿寒湖パワーで1泊弾丸旅

札幌から阿寒へGO!

一泊だから朝から出発。

まずは阿寒湖の遊覧船から

 「阿寒湖って、マリモの?」とすぐに言える人は、それなりの大人だ。「まりもっこり」という強烈なご当地キャラが登場したのは2005年だが、実は戦後すぐから、マリモはお土産としても販売されていたらしい。

 そんな「マリモ」で有名な阿寒湖に到着したのは、10時半過ぎ。思ったより天気が良い。まっすぐ観光船乗り場に向かうと、ちょうど乗船手続きが始まるところだった。危ない、危ない。急いで11時出発予定の船「ましゅう丸」に乗り込む。

 以前乗った時はやや肌寒くて室内に座ったけど、今日は気持ちがいいので2階のテラス席へ。ふふふ、景色が楽しみだなぁと思っていたら、出発直前に尿意をもよおした。急いで1階に下りて便所へ入る。あー、スタートから我ながら萎えるわー。なんだか船に申し訳ない気持ちになった。

 とはいえすっきりした気持ちで再び席に戻ると、船は動き出した。

ましゅう丸よ、待たせたな。

 ゆっくりと、でも勢いよく阿寒湖を船は進む。すでに湖面が緑色に見えるのは、マリモのせいか否か。わからないけど、顔にあたる風が気持ちよい。あーここでビール…、あ!ビール買うの忘れた!前回乗船した際には、缶ビール持ち込みしたけど、今回は時間がギリギリだったせいで買うのを忘れてしまった……。残念だ。実に残念だ。


 出発してすぐ、右手の陸地に遊歩道のようなものが見えた。あの辺りって歩けるのね。いいな、行ってみたい。きっと湖側から見る森とは、違った景色だろうなぁと想像する。緑が美しい時期に来てよかった。見えるもの全てが何だかキラキラしている。

 そういえば、阿寒湖は釣り人にとっては「聖地」らしい。どうりで釣り人が多いわけだ。以前にも見たけど、今回も湖にカラダ半分ほど浸かって釣りをしている人がいる。今はニジマスが獲れるようだ。ま、水嫌いなわたしにとっては、どんなに貴重な魚でも「カラダ半分が水に入る」のは御免だけどな。

 ふと船内の方に目を向けると、ガチャガチャが2つ見えた。旅先のこういうものは、ちょっと気になってしまう。念のため小銭を持って静かに席を立つ。別にわたし、ガチャガチャとかしようと思っているわけではないのです。

ちょっと船内散策にきただけですの、ホホホ

 というていでそうっと歩く。ほほう。ガチャガチャは「北海道 淡水魚マグネット」「遊覧船限定 オリジナルマグネット」だった。いずれも100円。安い!最近のガチャガチャって300円とか500円とかあるもんね。子どもが買うモノじゃないだろ!などと思ってしまう。いや、ちょっと待って。確かLCCのPeachは「5000円」の旅くじという名のガチャガチャをやっていたっけ。そう思うとやっぱりがちゃがちゃは大人向けなのか?

 ちなみに札幌開催の際に、わたしはこれで10,000円分を引き当てた(通常は6000円分)。やっぱり日頃の行いかしらね。おほほほ。


 他の人にあまり気が付かれないように、そうっとガチャガチャに忍び寄り、ハンドルを回した。するとカプセルはコトン、と音を立てて、そのままころころと船内を転がりだしたではないか!こんなにそうっとガチャガチャしているのに、床を追いかけるわたしの身になって欲しい。

恥ずかしさ満載。


 2個目は受け止める体勢を取りつつハンドルを回したが、カプセルは大人しく出口で鎮座した。なんだよ、と気が抜けて取り出す。思ったよりも小さいそのカプセルが何だかかわいい。席に戻って開けてみると、青と黄色が美しい「ウグイ」と、まさに今乗船している「ましゅう丸」のマグネットだった。良きではないか。良きではないか。

 うむうむ、とそれをカバンに入れ、再び湖に目を向ける。阿寒湖の端の方「滝口」まで来ると、緑が濃くて湖面の色も一段と深くなっていく。この辺りに、遊歩道が完成したそうだ。5キロくらいというから、運動不足のわたしには「やる気」がないと無理かもしれないが、大自然の中を歩くというのはなんともいえず気持ちよいだろうなぁと想像する。想像ね、想像はしておくね、今度歩くかもね、今回はやめておくね。

  船は阿寒湖にある小さな島「チュウルイ島」に到着。ここには「マリモ展示観察センター」がある。今回はなんとちょっぴり特別に「マイマリモ」を触らせてもらえることになった。

 「マイマリモ」ってなんじゃそりゃ、と思っていたら、どうやら人工的に団子を作るように藻を成形してマリモを作り、サイズや重さを記録、さらに名前を付けたものらしい。保全活動の一環らしいが、それに紐をつけたものが湖畔にゆらゆらと揺れていた。

 ペットみたいだな…。と思うとやたらかわいい。とはいえ、れっきとした生きた、特別天然記念物のマリモ。マイマリモはホンモノに触れられる、唯一のものなのだ!

 そうっと触ると、思ったよりもしっかりしていて、まるで呼吸をしているような

マリモの躍動が!感じられる!

 ……わけではないが、それよりも何だこの愛おしい感覚は!いい子いい子したくなる。人工的とはいえ特別天然記念物を直接触れるという、貴重度がすごい。スタッフの方がそうっとまた、阿寒湖の水面にマリモを戻す。

 ああ、しっかりと育って欲しいな、我が子よ。自分で作ってはいないくせに、すっかり感情移入。

 再び緑の樹々のなかを歩きながら、船に戻る。マスクを外して思い切り空気を吸い込む。ああ、空気が美味しい。ああ、ビールが欲しい

 帰りの船内では、「毬藻(まりも)の唄」が流れていた。入場券の裏面に歌詞が書かれているので、ぜひ口ずさみながら帰途を楽しんで欲しい。脳内がマリモでいっぱいになり、近づいてくる陸地の木々さえも大きなマリモに見えてくる頃、船は到着する。


 「幸福の森桟橋」で下船。降りてすぐにあるお店に入った。目当ては「ザリガニ」。阿寒湖で獲れるウチダザリガニで、駆除目的で捕獲されているため比較的安い!

 ボイルしたザリガニを、お店の方に教えてもらった通り、背中の辺りをじゅわっと押してバリバリッと剥がして身を取る。全体の大きさに比べると、食べる部分はそう大きくない。パクっとひとくち。あ、エビだ。エビと同じ味。美味しい!

 爪のところもハサミで切って出してみると、これまた味が違ってたまらん感じ。あー、甲殻類ってどうしてこんなに魅力的なのだ!「ザリガニ」っていうと若干偏見があるが、非常に美味しい。

 ウハウハと野性的なおやつを楽しんで外に出たら、そんな雰囲気とは真逆か?と思うほど神聖な雰囲気のギャラリーが向かいに建っていた。そうだ、ここ行きたかったところだ!と先ほどまでザリガニにむしゃぶりついていた自分をそっとキャラ変させ、おほほ、ハイソなアートでも見ようかしらね、と中へ入る。


 そこは確かに洗練された空間だったけど。息づくアートは、さっきのザリガニに負けないくらい「生」や「自然」に近いものだった。鹿の角を組み上げて作られた、威厳ある椅子。アイヌ文様が施された、主役級のアクセサリー。まっすぐにこちらを見据えた、クマの写真。影を計算して繊細に作られた、強き鉄の生き物たち。

 そのどれもが、北海道の、阿寒の自然から生み出されたアート。息を吸い込んで吐き出すのが、ため息になる。2階ではさらに写真が見られるらしいが、

音を立てる腹を優先し、ランチに向かうことにした。

 わたしは、常に自分に正直でありたい。


その2に続く!