KANAZAWAyuuki
た「タロットカード」
更新日:2022年6月10日

占いが結構好きだ。子どもの時には「My birthday」という雑誌も毎号買っていた。それは10代向けの占い雑誌で、当時3000円程したオリジナルグッズのペンダントを買ったこともあった。妖精の王様が描かれたペンダントで、「良い心を持った人が、幸福のために使うと奇跡をもたらす」とのことだった。
その時わたしは中学生だった。学校から帰宅したらそれが届いており、嬉々として包みを開けすぐさま祈った。「今日の家庭教師を休みにして欲しい!!」すると、なんとその10分後に電話が鳴った。
「今日は家庭教師をお休みさせてください!」と先生からの連絡だ。
すごいぜ、妖精の王様!!んもう、受験生もびっくりだ。
テストの点数を追うよりも、まじないを習った方がいいのではないかと錯覚したほど。
やはり「良い心」のわたしが、「幸福のため」に使ったからこそ!
正しいのかどうかはわからんが、奇跡は起きた。ちなみに、当時の家庭教師の先生は、わたしが苦手な数学の成績を10段階で「6」から「9」にしてくれた人なので(ん?まさかそれが奇跡だったりして…?)、腕は確かだった。でもね、ワキガだったからちょっとヤだったのよ。中学生女子にはさ。

というわけで、占いがそれなりに好きな人間として成長し、大人になっても時々占いに行くことがあった。まあ、当たらない場合も結構あるので「気晴らし」の場合も多い。逆に言えば本当に切羽詰まって「藁にもすがる想い」の時もあった。
札幌に移住してからは、占いの店や占い師も多くて、どこに行けばいいかわからず、一度もそういうことはなかった。しかし、転機は訪れた!仕事の取材で出会ったタロットカードを使って占う「森羅」さんという女性。取材とは別で個人的に占いをお願いしてみたら、思いのほかしっくりきた。ふむ。すごい。なかなか当ててくれるじゃないの←どこから目線?
当たるけどそのくらいの感覚で認識していた。しかし、ある日まさに「藁にもすがる想い」で再訪することになるとは。
エッセイの「セキセイインコ」の話をご存じだろうか(まだの方はこちらから)。まだならすぐに読んでいただきたい。
この札幌で飼い始めた大切なインコを、なんとうっかり外に逃がしてしまったのだ!泣き叫ぶ娘たち。探すこと3日。ついに娘が
「ママお願い。インコの行方を占ってもらって」
と言い出した。え?マジで?そんなこと考えてもみなかった。でも毎晩泣いている娘を見ていると、できることは全力でやらねば、と森羅さんに相談。
「動物は、正直自信がないけど…」と言いながら見てくれた内容は「自宅から南西の方向にいる。そんなに遠くない」とのこと(細かいことは省略ね)。わたしは急いで「インコ探してます」のチラシを作成し、自宅から南西方向だけに絞り込んで配った。札幌市内全域にチラシを撒くなんて、膨大すぎてなかなかできることではない。もちろんSNSは活用したけど、リアルなチラシは「南西」に絞れたからこそお金もかけられた。
その頃は5月。夜になれば10℃を切る日もあった。私たちは半分、諦めかけていた。ところがその17日後、警察から連絡がきた。「多分、お探しのインコが見つかったので確認しに来てください」
なんと!!!
「自宅の庭にインコがいる」と通報があったらしく、警察官の皆さんが網を持って捕獲しに行ってくれたそうだ。インコはさすがに3週間外にいたせいで疲れ切っており、簡単に保護できたという。
まさに、「我が家から南西方向。チラシ投函済」のエリア。奇跡である。3週間迷子だったインコが帰ってきたのは、まさに森羅先生のタロットカードのおかげだ。
帰ってきた我が家のインコは、その3週間ですっかり大人になっていた。飼い主のことは認識しているとは思うが、すっかりクールガイだ。人間でいえば、1年半くらい急にサバンナに放り出されたようなものである。そりゃあ、たくましくなって帰ってくるよね。でも戻ってきてくれてありがとう。タロットカード万歳。