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そ「空」

更新日:4月24日



 子どもの時から「空」に憧れた。そうはいっても別に「ドジでのろまなカメ」を目指したわけでもなく(古すぎるぜ…)、いつもそばにありながらも、手が届かない場所。それが「空」。

 空からは、まばゆい光を照らす日もあれば、薄暗くどんよりとした色でこちらをぼけーっと見ている日もあれば、面倒なシトシトとした雨を降らす日もある。でも、冬の寒い日にちらちらと小さな白い雪を落とされるのは、なんだか大好きで。小さな頃はピアノ教室の帰りに1人、公園に立ち寄っていつまでも木の枝に積もりゆく、それを眺めていたっけ(可愛い時代)。金沢だったから凍死はしない程度だったが、それが北海道なら「死」にも直結する。

だからやっちゃいかんよ、道民は。

 「空」を行き交う飛行機に初めて乗ったのは、大学生の時だったと思う。卒業旅行で新潟から福岡まで。その年まで、「旅行」といえば父が運転するクルマで行く旅行が全てで、空を飛んだことなどなかった。

 そうして初めて空を飛んで行きついた土地は、生まれた町とか住んでいる町とかそういうところとは違う景色、食べ物、人の多さ、ぬくもり、空気、全てが新鮮で感動だった。ああ、空を飛んで行く先というのは、たくさん知らないことがあるんだなぁと改めて思った、大学時代。

 そんな、やや遅い飛行機デビューだった自分。だけどそこから15年程たってから世の中に出現したLCCと呼ばれる、「ローコストキャリア」に度肝を抜かれた。日本での元年は2012年と言われているけど、このLCCがわたしを変えてくれたと言っても過言ではない。たったの5、6000円程で成田から札幌へ行けるとなった時、そりゃあもう驚愕した。

「わたしは貨物か?!」というレベル。


 交通費がそんなに安くなるなら、2回行っていた旅行が5回に増える。そう思って、LCCに興味を持ち、仕事を模索し、初めて機内誌を企画・制作した。

 2013年12月のバニラエア就航からの機内誌「バニラエアのたびクーポン」の誕生だ。  

 あ、ここすごくいい話で、わたしの人生における大事なところなので、すっ飛ばして読むのはやめてください。

みなさん、今、大事なところです。

 その「バニラエアのたびクーポン」を皮切りに、今のジェットスター・ジャパンやPeachAviationなど日本のLCCの機内誌・機内搭載誌を「たびクーポン」ブランドで作り上げた。それがわたしの「空のお仕事」の1歩だった。

 「空」の仕事をするなんて思ってもみなかった。当時の仕事のパートナーがいて、たった2人で作り上げたLCCによる「てっぺん」だったのだ(当時の国内での航空会社のシェアは、LCC3社を合わせればANAとJALに続く第3位だった)。いやーすごくない?すごいって!すごいから←自分でいう


 そういう状況で、成田から札幌へよく行き来をするようになって、札幌に惚れ込んで今に至る。そうだ、当時はその仕事のために札幌に仲間3人で合同会社も作った。合同会社って「LLC」と表記されるんだけど、これがまた「はぁ、LLCねえ。合同ね」と馬鹿にされたこともあってよく腹が立ったなぁ。いいんだよ!「LCCの仕事をしていて、そのためにLLC作ったんだから面白いじゃないか!」と内心思っていたけど。

 当時のパートナーもわたし自身も、それぞれ自分の会社があったから、機内誌事業のためにあえて2人の会社を改めて作ったので。それがまた株式会社とか作ったらお金も手間もかかるから、合同会社にしたんだけどさ。偏見あるよね、いまだにね。やーね。そこがわかんないおっさんもたくさんいたなぁ。Googleもシャネルの日本法人も合同会社なのにね。

 というような、そんなこんながあって、札幌。その時の合同会社も札幌を本社にしたけど、今の私は、関東から自分の会社も本社を札幌に移しました。もちろん今は新幹線という陸路もあるけど、基本的には「空を飛んで旅する、北海道」。好きだな、やっぱりこの町。


※「たびクーポン」の名称は、現在なくなりました。ご興味ある人は、「たびクーポン」「バニラエア」などで適当に検索してみてください。なんか過去のでてくるから。