• KANAZAWAyuuki

な「夏」


 はっきり言って、夏は嫌いだった。物心ついた時から嫌い。

 このエッセイの「海水浴」を読んでいただけるとわかると思うが、わたしは小さい時から泳ぐのが苦手で「プール」「海」という強制的なものがほんとー――うに嫌だった。だから、子どもの時はプール開きが始まる夏が近づくと、そりゃあもう憂鬱。

 プールのある日は全面的に学校を休みたい!!と母親に主張したかったが、まあ受け入れてくれるはずもなく。根がいい子なので(本当です)、勝手にずる休みもしないし、体育だけを休むことも勇気が必要だった。だから、毎回のプールの授業が嫌で、「雨乞い」をするくらいしか能がなかった。まあ、成功したことはほぼないけどな…。

 加えて水着を着るのも嫌だ。

 だって乳ないし。

 え?そんなこと?と思われるかもしれないが、「ない乳をさらす」という行為が、どれほど小さな私の胸を傷つけたか(国語の問題です。ここの「小さな」は2つの意味を表しています。さて何と何が小さいのでしょう?しかも「胸」は掛詞になっています。何と何を意味しているでしょう。わかった方は巻末のはがきでぜひご応募を!抽選で3名様にサッポロクラシックを…)。←ウソ

 小中学生の頃は、まだ成長段階だからあまり気にしなかった。でも明らかに「大人のカラダ」に近づいたはずの高校生になっても、わたしの胸は成長を見せてくれなかった。

 おい、どうなっている?これは大人のカラダではないぞ!と自身の胸に問うわけだが(ここの「胸」は掛詞になっていま…)、

 特に明答はないまま、わたしは何十年たった今も子どものカラダだ。おい。



 当時高校生だった私を、あまりに不憫に思った母親は、胸が大きくなるというサプリを買ってくれた。どんな親だよって感じだが、本当の話だ。でも結構お高級だったので、娘ながらに申し訳なく思った。しかし効果はまったく感じられず、今度は母親を不憫に思った娘は、お風呂の時間には自分でマッサージするという努力をした。でも変わらなかった。

 母は二度とそのサプリを買ってくれなかった。まあいいけど。


 ところで、夏の話をしたかったのに、自虐ネタで半分以上書いてしまった。ない乳の話題には事欠かないので、また別の機会にしようと思う。


 そんなふうに「夏」を迎えるのが嫌いだった私が、札幌に移住してからは5月の末辺りから夏を待ち遠しく思うようになった。人生初!である。

 なぜか!結論から言おう。このエッセイを読んでくれている方なら予想がつくかもしれないが、なんといっても

「ビールが美味しい季節になるから」だ。

 いや、365日美味しいのは変わらないので、もっと正確に答えると「ビアガーデンが開催されるから」だ。

 札幌の夏は非常に短い。本州では当たり前のように6月から「衣替え」となり、夏服へと移行していくが、その習慣が札幌にはない。6月初旬はまだまだ寒いからだ。最近は暑い日が多いけど、基本的には6月の日中平均気温は16,7度。昼間は半袖でOKな日も、夜には上着がないといやんという感じ。でも、もう夏来るよね?もうすぐ来るよね?と皆ウキウキしだすので、そりゃもう屋外でビールを飲みたがる。

 夕刻になると上着を羽織って、寒いけど、我慢して飲む!

 みなさんご存じさっぽろテレビ塔の下では、5月末からビアガーデンがスタートするし、7月半ばからは、大通公園での夏祭りが1か月ほど行われる。公園全体でビアガーデンが開催されるって、本当に美しい光景だ(変態ですね)。

 というか、ちょっと待って。書きながら気が付いたけど、

 テレビ塔の下って、もう開催しているじゃん!やば。行かなくちゃ。

 ということなので筆をおきます。失礼。